WiFiが遅い原因と対処法

WiFiは慢性的に遅いこともあれば、一時期まで調子が良かったけれど急に遅くなることもあり、WiFiの電波状況を気にしながらパソコンやスマホの作業をするのはなかなかに苦痛である。

本ページではこのWiFiが遅い、繋がりにくい問題を原因の説明も踏まえながら解決する手順を説明する。手軽で効果が高いものから並べたので順に試してみて欲しい。

末尾がaのWiFiに接続する(5GHz帯域を試す)

末尾がgの無線に繋がっている場合にまず行うことは、末尾がaに繋がっている無線に切り替える事である。これで大抵の場合速くなる。

WiFiが遅くなる一番の原因は周波数帯、すなわち電波の通る通路が混雑することである。

WiFiは電波を使用して通信を実現する技術であるが、電波は周波数が異なる物同士は干渉しないため、他の周波数帯に変更することで混雑を回避することができる。

WiFiには2.4GHz帯と5GHz帯の2つの帯域を使う規格が存在するが、2.4GHz帯は無線LANで主流として使われているほか、Bluetoothや電子レンジの電磁波などとも干渉する可能性が高い

それゆえ比較的他の電波と干渉しにくい5GHz帯を使うように変更すれば良い。下記の図で末尾がaのものが5GHz帯の電波であり、末尾がgのものが2.4GHz帯の電波である。

無線一覧画面(Android端末)

接続方法は一般的に以下のようになる

WiFi設定のページを表示

Androidならば設定からネットワークとインターネットを選び、WiFiのアイコンをタップすると上記の無線LAN一覧へたどりつける。iPhoneならば設定、WiFiと辿れば同様の画面へたどり着ける。またノートパソコンでは画面右下か横に無線LANのアイコンが表示されていると思うのでそこをクリックして設定画面まで飛ぼう。

パスワード(暗号化キー)の入力

暗号化キーとはWiFiの通信を暗号化するために使われるパスワードのことである。また他人が勝手に使わないようにする単純なパスワードとしての役割もあるため、WiFiパスワードとも呼ばれる。

自分で設定をしていない限り、暗号化キーは無線LANルーターに貼られているシールに記載されている。そこからf79aeD...などの文字列をメモし、入力してやれば良い。

一度接続してしまえば再度パスワードを要求されることはないため、以前にパスワード入力を行ったことがある場合はこのプロセスを省略できるはずである。

電波が弱いならWiFiルーターの置き場所を変えよう

次に電波の強度を調べよう。強度はアンテナマークで表されており簡単にわかる。

WiFiの強度はアンテナ数で分かる(iPhone)

これはiPhoneの例であるが、3本のアンテナがあり、上の2つは3本ともたっているため十分であるが、下の一つは2本でありやや不十分であることが分かる。

電波を十分に届かせるためには、良く電波が飛ぶ無線LANルーターに変更するのが良いが、手っ取りばやく試せる方法としては置き場所を変えるのが良い。

電波は距離はもちろんのことだが、障害物によっても減衰する。よって机の下など障害物が多い場所では十分に行き渡らない可能性が高い

おすすめはできる限り部屋の真ん中で障害物のない箇所を見つけて設置することである。ただ、部屋のインテリアやレイアウトとして難しい場合もあるためその場合はより強い電波のものへの買い替えるしか無さそうである。

WiFiが遅い原因を特定

上記の2つで改善しない場合は、より詳細に電波の状況を調べる必要がある。Android端末を持っているならばWiFi Analyzerというアプリを入れてみよう。持っていない場合はひとまず流し読みし、チャネルについて理解をしておこう。

WiFi Analyzer

このアプリを使って電波の競合がないかを確認することができるのだが、チャネルという用語が登場するので、まずチャネルを理解した上で使い方を説明する。

チャネルとは何か

2.4GHz帯、5GHz帯を更に細分化した電波の通路がチャネルである。2.4GHz帯が混雑しやすいという話をしたが、2.4GHz帯の中でも細かくは複数個電波の通路がある。このそれぞれの通路に相当するものがチャネルである。

2.4GHz帯の場合は1chから14chまでの14個のチャネルがあり、5GHzの場合はチャネルによってW52、W53、W56の3つのグループに分かれており、W52が36ch、40ch、44ch、48ch、W53が52ch、56ch、60ch、64ch、W56が同様に4つ飛ばしで100chから140chまでの11チャネルを持っている。

交通道路に例えるならば、多くの無線LANルーターによって使われているチャネルは渋滞して速度が遅くなり、誰も使っていないチャネルだと一人占めができ快適に使うことができる

この空いたチャネルを探し当てることができるアプリケーションがWifi Analyzerである。

2.4GHz帯のチャネル状況の確認

まずはメニューからチャネルグラフを選んで表示してみよう。画面をタップするとWifi Analyzerタイトルの下に2.4GHz、5GHzのボタンが表示されるため、そこで周波数帯の切り替えを行うことができる。筆者が手元で表示したところ下記のようになった。まずは2.4GHz帯から。

2.4GHz帯のチャネルグラフ

非常に多くの無線が飛び交っており、さながら戦国時代のようである。チャネルの感度をスターマークで可視化したチャネルレーティングをメニューから選び表示すると下記のようになった。

2.4GHz帯のチャネルレーティング

ほとんどのチャネルで感度が非常に悪いことが分かり、これが繋がりにくい原因となっている。

一方でCH13、CH14は空いているので、ここの周波数帯を使うように無線LANルーターの設定をしてやればよい事が分かる。

ルーターのチャネルを変更する方法は各メーカーのホームページを見ないことには分からないが、どれも似通っているため、後の章で一例をあげて説明することにする。

5GHz帯のチャネル状況の確認

次に、画面をタップして、Wifi Analyzer下の5GHzボタンを表示させ、それをタップして5GHz帯のチャネル状況を確認しよう。

5GHz帯のチャネルグラフ

36-48ch付近は同様に非常に混雑している事がわかる。末尾がaの5GHz帯に接続したとしてもこの付近のchを無線LANルーターが使用している場合には感度は悪くなり、遅い状態となってしまう。

しかし、それ以外53W、56Wのチャネルはほとんど使われていないことが画面の上の方に着目すると分かるはずである。

メニューからチャネルレーティングを選択して、表示してみたところ、下図のようになった。ここからも番号が大きいチャネルは快適に使えることが分かる。

5GHz帯のチャネルレーティング

よって2.4GHz帯と同様、5GHz帯でも空いているチャネルに変更してやれば良い。

無線チャネル変更の方法

WiFiのチャネルを変更するためには、無線LANルーターの設定を変更する必要がある。設定方法や画面は無線LANルーターによって異なるが、手順はそれほど変わらないはずなので、筆者が所持しているNECのAterm WG1800HP3を用いて解説する。

無線LANルーターの設定画面でログイン

まずIPアドレス192.168.10.1をブラウザ上に入力し、無線LANルーターのログイン画面を開ける。このアドレスはローカルのIPアドレスであり、外部のインターネットからはアクセスができないため、無線LANに接続した状態でIPアドレスを入力する必要があるので注意しよう。

また、このアドレスはAtermが定めている設定画面のアドレスのため、メーカーが変われば設定画面へのアドレスも別のものとなる。ここは説明書を確認しよう。

すると下のような画面が表示される。

無線LAN設定ページへのログイン画面

説明に従い、ユーザー名にadminと入力し、パスワードに無線LANルーターのラベルに記載されているWebパスワードを入力すればトップページへ入ることができる。

adminはアドミニストレーター、すなわち管理者のことであり、大抵のルーター設定ページへログインする時の名前はadminとなっている。分からなければとりあえずadminと入れてみるのは良い方法である。

設定メニューでWi-Fiの詳細設定を選択

ログイン後設定メニューが表示される。パスワードの変更や、ポート開放など様々な設定項目があるが、ここではWi-Fi詳細設定(2.4GHz)とWi-Fi詳細設定(5GHz)を選択する。

無線LAN設定のトップページメニュー

2.4GHz帯の詳細設定

2.4GHzの詳細設定へ行くと下記の項目が表示されている。このうち使用チャネルを選び、Wifi Analyzerで見つけた空いているチャネルに変更すれば良い。最後にページの一番下に行き設定ボタンを押せば完了である。

2.4GHz帯の詳細設定画面

5GHz帯の詳細設定

5GHz帯も確認しておこう。設定画面は以下のようであった。

5GHz帯の詳細設定画面

5GHz帯では使用チャネルとしてグループのみを指定でき、詳細なチャネルまでは指定できない。しかしWifi Analyzerの結果によるとW53とW56のチャネルグループは空いていたため、何れかに設定してやればよい。

Wifi Analyzerが使えない時の対策

Androidアプリの他Windowsのアプリとして配布されているが、iPhone、Mac用には配布されておらず、状況によってはWifi Analyzerを使えないこともある。その時は手探りでチャネルの設定を行うことになるが、闇雲に設定するよりは空いていそうなチャネルをまず指定してみると良い。

2.4GHz帯はチャネル13が狙い目

チャネルの干渉は番号が近いチャネル同士でも起こるため、例えば自分の家でチャネル5を使っており、隣の家でチャネル6を使っている時、それぞれが干渉し、WiFiが遅くなる原因となる。厳密には4つチャネルが離れていると互いに干渉することはない

このような性質があるため、左右何れかの電波が無い、隅の1番と13番が動作が安定している可能性が高いと言える。

また、チャネル13には対応していない機器もあるため結果としてチャネル13が最も安定して動作する可能性が高い。

よって分析できないものの何故か遅くなってきたと感じた場合には取り合えずチャネル13の指定をしておくのが有効である。

5GHz帯はW56へ設定せよ

大抵の無線LANルーターはW52のチャネルグループが初期設定となっている。これはこのチャネルグループが各種レーダーの干渉(後述)を受けないためであるが、混雑している可能性が非常に高く、慢性的に5GHz帯に繋がらなくなるということもあり得る。

このような状態であると感じた場合はW53かW56のチャネルグループに変更することをおすすめする。特にW56はチャネル数も多いためおすすめである。

さて、レーダーという言葉が出てきたが、5GHz帯はWiFi以外にも気象レーダーや軍事レーダーで使われており、これらと干渉する可能性がある。優先順位としては気象レーダーや軍事レーダーであるため、無線LANルーターがこれらのレーダーを感知すると他のチャネルへ移動しなければならない

このレーダーを検知して他のチャネルに移動する機能はDFS(Dynamic Frequency Selection)と呼ばれ、次の空きチャネルを探すまでの時間通信ができなくなる。時間に関して言うと、空きチャネルでレーダーを感知しないことを確かめるために、1分間は走査される仕様となっており、約1分の通信遮断がおきる。

ただ、それほど頻繁にレーダーを受信するものではなく、個人としても遮断が起きたと感じたことはない。レーダーの受信を観測しているブログなどもあるが観測には苦労しているようである。

軍事施設や空港に近い場所なら頻繁に受信する可能性もあるかもしれないが、ともあれ慢性的にWiFiが遅い状態よりは遥かに良いはずなため、ひとまずW56へ設定して様子を見ることをおすすめする。

その他WiFiが遅い原因をまとめてみる

上記でほぼWiFiが遅い原因と対策を説明できたと思うが、他に遅い、不安定になる可能性をまとめておく。

無線LANルーターの推奨接続機器制限に引っかかる

無線LANルーターにはそれぞれ接続することができる推奨の電子機器の数が決まっており、それを超えるような数が接続されてしまうと動作が不安定になってしまう。

あまり使われてはいないが接続されている機器は、通信をしていないように見えるかもしれないが、定期的に接続チェックは行われているため、その分無線LANルーターの処理が重たくなり、全体として不安定になってしまう可能性がある。

よって不要な電子機器の無線LANは切っておくことをおすすめする

なお推奨の接続数は無線LANの性能によって様々であり、安いものだと3つ程度までが推奨されており、高価なものだと10台以上接続が可能である。よって接続数が原因で遅くなっていると判断でき、かつ常時接続しておきたい機器が多い場合には無線LANルーターの買い替えを検討するのも手である。

無線LANルーターが熱暴走

無線LANルーターをさわってみると異常に熱いことがある。電子機器は熱に弱いため、温度が上がるとパフォーマンスが低下し、WiFiが遅くなってしまうことがある。このような場合はアナログな回答ではあるが、風通しの良い場所に無線LANルーターを移動させることをおすすめする。

部屋の隅などは熱がこもりやすく、電波も届きにくいため、インテリアには丁度よいことが多いがWiFi環境としては最低である。

無線LANルーターのソフトウェア不具合

何故か良く分からないがWiFiが不安定になってしまった時は、無線LANを制御するソフトウェアに問題がある可能性もある。その場合一度無線LANルーターをリセット、あるいは再起動してみることをおすすめする。

起動時に空いているチャネルを自動で探す機能を実装している無線LANルーターも多いため、他の原因も同時に解消できる可能性もある。

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