ハードディスク(HDD)/SSDの選び方

ハードディスク及びSSDは補助記憶装置やストレージとも呼ばれ、ブラウザやワード、エクセルなどのアプリケーションの他パソコンのファイルや写真、動画を保存しておくためのスペースとして使われている

容量を決めれば良いだけと思いがちだが、ストレージの種類によりOSやアプリケーションの起動速度にも大きく関係してくる。それぞれの長所を活かしてHDDとSSDを組み合わせて使うことも多い。この記事では容量の感覚とHDD/SSDの特徴を学び、最適なストレージの選択ができることを目指す。

容量はどれぐらい必要?

512GB、1TBなどパソコンのスペックには記載があるが、何をどのぐらい保存しても大丈夫なのか感覚を掴んでおくことが重要である。

なお、事前知識としてGBはギガバイトと呼び、ギガ放題のギガと同じ意味である。スマホでは50GBも使えばかなりのヘビーユーザーである。またMB(メガバイト)の1000倍がGBであり、さらにその1000倍がTB(テラバイト)である(1TB == 1000GB == 1000000MB)。

動画を多く録画するなら1TBは必要

1時間の番組をある程度高画質で録画しようとしたら大体4GBくらい必要となる、地デジをそのままの画質で録画しようとすると1時間あたり8GB程度の容量を使ってしまう。この場合1TBでは125時間録画できることになるが、ドラマでいうとシリーズ10本といったところである。

画質を落とせばかなり長時間録画が可能であるが、意識せず保存していくと気づけば容量がなくなってしまうため、動画の保存をたくさんしたいと考えている人はできる限り大きなストレージ容量を確保しておくことをお勧めする。

最低1TB(1000GB)、デスクトップパソコンであるなら4TBのHDDが安価に積めるため、容量を気にしたくない人は積んでおくと良い。

4K動画は1TBで20時間

番組の録画ではなく、撮影した動画を高画質で保存しておきたい場合にも多くの容量が必要となる。特に4K動画でクオリティの高いものは1時間の映像で50GB程度使ってしまう。

子どもの行事の度に長時間高画質で動画を撮り保存しているような場合は十分な容量が必要である。一方でFullHD動画で撮るならば最低でも4K動画の4倍は長く撮ることができる。

写真は1TBで10万枚、動画と比べると無視できるレベル

写真に関してはあまり撮り過ぎを意識する必要はなさそうである。スマホだと写真が容量を圧迫して稀に問題となるが、基本的に容量がスマホと比べて大きいパソコンではあまり問題とはならない。

1枚あたり10MBだとかなり高画質な写真となるが、その場合でも10万枚保存しないと1TBには到達しない。動画と比べると容量は必要が無いと言える。

また同様に音楽CDもアルバムで100MB程度なので、100枚のアルバムを取り込んでもせいぜい10GBにしかならない。写真よりも小粒である。

大型のゲームは50GB超で地味に圧迫

パソコンのゲームソフトを何本もダウンロードする人は注意をした方が良い。大型のゲームはおおよそ50GB以上、中には100GBを超えるものもあり、何本もやっているうちに容量がどんどんなくなってしまう。

大抵のゲームはセーブデータをゲームサーバー側に保存しておいてくれるし、ゲームのアンインストールをした場合でもセーブデータはパソコンの別の場所に保存されている場合が多い。よってデータが消える心配は無く、容量が少ない場合には、しなくなったゲームは小まめに消すことをおすすめする。

OS含め初期アプリが20GB程度あったりする

64GBのパソコンを買ってきて、パソコンの残り容量を調べると40GB程度しか残っていなかったりする。これはWindowsOS自体や各メーカーのプリインストールされた初期ソフトが入っているためである。OS自体の容量は10GBは超え、Word、Excel、ウイルスバスターなど1GB程度あるアプリがチリに積もってそれなりの容量になっている。

このため特に容量の少ないパソコンを買おうとしている場合は実質的に使える容量としてマイナス20GB程度して考えるのが良い

必要なストレージの容量は?

結論として、動画を多く保存する人は1TB以上、動画の撮影が趣味で高画質で多くの撮影がしたい場合や、テレビの録画をどんどん増やしていきたい人は無制限に必要な容量が増えていくかもしれないので、先を見越して4TB程度積んでも良いと思われる。

次に動画の保存はそれほどしそうにないけれども、ゲームをする人は512GBはあると好ましい。1本50GB超のゲームもあるのでコアゲーマーならばより多く搭載すると良いだろう。

最後にそれ以外で、動画もゲームもほとんどしない場合でも256GBあると安心である。128GBではOS自体や初期アプリで容量が想定以上に圧迫され、何かの拍子に足りなくなることは十分に想定される。

特にあまり詳しくない人は、映像を編集していたらゴミのファイルが溜まり20GB容量を使っていたみたいなことが容易に起こる。

容量を抑える、減らす・増やすポイント

容量が足りなくなった時に対処する方法としては、必要のないデータを削除して容量を減らすか、既存の容量を増やすしかない。予測できる場合はあらかじめ容量が増えない仕組みを整えておくことも重要である。そのための方法をいくつか紹介する。

外付けハードディスクを使う

USB経由で外付けのハードディスクを使い、あまり使わないファイルをしまっておく、あるいは常に挿しっぱなしにしておくのが良い。物によっては1万円を切る価格で4TBの外付けハードディスクを購入することができるためコストパフォーマンスも高い。

少量のバックアップ程度ならば64GB程度のUSBメモリを購入して、それをバックアップ用としておくのもありであるが、外付けハードディスクが最も割安である。

動画や写真をクラウドで管理するのもあり

個人の写真や動画をGoogle Photoで管理し、ファイルデータをDropBoxOne DriveといったWebストレージサービスで管理するのもおすすめである。1TBで約1000円程度の費用がかかるが、これらのサービスを使うことにより、ストレージが壊れてデータを失う心配がなくなる

ただし、4Kなど高画質な動画はアップロードを規制されるなど制限があり、何を保存したいかは予め検討しておいた方が良いかもしれない。

HDDとSSDの違い

容量については大体感覚が掴めたかと思うが、次にHDDかSSDかという種類の選択を迫られる。ここではまず基礎知識としてHDDとSSDの違いを理解しよう。

SSDはHDDと比べて壊れにくく、静か

ハードディスク(HDD)はHard Disk Driveと呼ばれ、下記のような構造をしている。プラッターと呼ばれる円盤が高速で回転し、磁気ヘッドが上下に動くことで0、1の情報を円板状に記憶していく。円盤上には磁性体の物質があり、磁気ヘッドが磁気を与えることで記録が可能である。

一方でSSDはSolid State Driveと呼ばれ、内部にNAND型フラッシュメモリーを持ち、電荷の状態を操作して記憶を行う。USBメモリーと同じ記憶方式である。磁気ヘッドや円盤を持たず、下記のような構造である。

構造上の特徴からわかると思うが、ハードディスクは衝撃によって磁気ヘッドが壊れやすく、物理的な動きがあるためにカリカリといった音も立てる。一方でSSDは物理的な動きが全くないために、静かで耐衝撃性が備わっている。また、消費電力もSSDの方が少ない

ノートパソコンをもって満員電車に乗り込むような人はリスクが大きいため、SSDを搭載するメリットが大きいといえる。

速度はSSD >> HDD 7200rpm > HDD 5400rpm

HDDは円盤の回転速度が書き込み、読み込み速度に影響し、回転数が大きい方が速い。回転数はrpm(revolution per minute)で表され、一分間に円盤が回転する数である。

ただ、円盤の1回転で記憶できる容量は製品により異なり(記録密度が異なる)、一概に回転数が大きければ速いとは言い切れないところはある。ともあれ一つの参考値として確認すれば良い

記録密度について少し触れよう。HDDは一枚だけではなく、複数のプラッタ(円盤)から成り立っている。このプラッタ一枚あたりの記憶容量が大きいほど 、記録密度が高まり、HDDは速くなる。ただしプラッタ数については製品詳細情報に書かれていないことも多く、実際の速度は推察しにくい。

他にHDDの速度を左右するものとしてキャッシュがある。ハードディスクにデータを保存する前に、一旦ハードディスク内蔵で数段高速なメモリにデータを書き込む。OSからすると、このメモリへの書き込みが終わった時点でコピー作業が完了したと認識し、次の作業にうつることができる。この結果処理速度が高まる。

この時、裏ではまだコピー作業は終わっておらず、メモリーの内容をハードディスク上に記憶するという作業が行われる。製品比較でキャッシュのサイズを比較することは重要である。

ここまではHDDの話であったが、物理的な制約がないSSDはHDDと比べ数段高速である。次の動画を見てみよう。これは500GBのSSD、HDD 7200rpm、HDD 5400rpmによるパソコンの速度を、補助記憶装置以外の条件を全く変えずに計測した動画である。

これによると起動速度はSSDが23秒、HDD 7200rpmが65秒、HDD 5400rpmが75秒であった。また、あるオフィスのアプリケーションの起動時間はSSDが1.5秒、HDD 7200rpmが30秒、HDD 5400rpmが70秒であった。

この動画は一例であるが、一般的にSSDはHDDの半分程度の時間でアプリケーションやパソコンを起動できる

なお、アプリケーションの起動については正直ここまで差がつくことはほぼ無く、SSDが1.5秒だとするとHDDは2.5秒ぐらいの感覚である。このあたりはアプリ自体の特徴や使用状況によって変わってくる。

HDDの方が安価

SSDは機能的には高速で壊れにくく優れているが、容量あたりの単価はHDDに軍配が上がる。

アプリケーションの起動などパソコンの高速化のためにSSDを搭載し、あまり使わない動画ファイルは外付けのHDDに保存するなどコストとのバランスを考えて最終的な判断をすることが望ましい。

またSSDにも2.5インチAHCI方式の安価なものからNVMe方式のより高速で高価なものまで数種類存在するため、特性を考えて判断する必要がある。詳細については下記の記事を参考

HDDかSSDどちらにするか?あるいは組み合わせるか?

HDDはSSDと比べると半額程度で購入でき、容量が大きくなるにつれて単価も下がってくる。一方でSSDは容量あたりの値段は高いが高速で故障率も低く、HDDより明らかに優れている。それぞれ一長一短なので、おすすめ例として幾つかケースを考えてみる。

500GBも使わないノートパソコンユーザーは256GBのSSD

まずノートパソコンを日常的に使うものの、ゲームはせず、動画もGooglePhotoなどにアップロードするので十分だという人は256GBのSSDを積んでおけば問題がない。

500GBのHDDと256GBのSSDなら値段はほとんど変わらないが、256GBのSSDをおすすめする。アプリの起動に時間がかからず快適であることと、500GBは持て余す可能性が高いということが理由である。

また、万が一容量が足りなくなったとしても外付けのハードディスクを購入すれば済むのであえて500GBのHDDにする必要はない。

動画も撮り、ゲームもするデスクトップユーザーは512GBSSDと2TB HDD

次にパソコンのヘビーユーザーで動画も高画質なものを撮りため、ゲームもよく遊ぶ場合はSSDとHDDを組み合わせると良い。この場合、動画はHDD、ゲームはSSDへ保存する。

ゲームの起動時間はOSの起動時間と同様でSSDがHDDの2倍近くとなり、SSDへインストールすることでロード中の待ち時間が少なく快適にプレイできる。

デスクトップで1TBのHDDは付属することが多い

最後にデスクトップパソコンでは小容量のSSD+1TBのHDDという構成の販売例は多い。それほど使わなくてもこの構成のため無駄ではあるが、ノートパソコンのように重量を意識する必要は無く、デスクトップ用HDDは特に安価のため、セットで安ければ気にせずに付けて置けばよい。

以上、HDD/SSDの容量、種類で悩んでいる人の参考になっていれば幸いです。