ゲーミングPC(ゲームパソコン)の選び方

ゲーミングPCとは特に定義があるわけではないが、高度なグラフィックのゲームを快適に遊べるスペックを備えたパソコンである。

見た目を派手にする、マウスやキーボードをゲーム向きにする、電源を大容量にして動作を安定させるなどの改良を加えて各メーカーがゲーミングパソコンという呼称で販売しているが、根本的には普通のパソコンにグラフィックボードと呼ばれる描画専用のプロセッサーが装着されていることが違いである。

よってゲーミングと呼ばれていないパソコンにグラフィックボードを搭載して、ゲーム専用マシンとして使用しても全く問題はない。

3万円程度するミドルレンジのグラフィックボードを買って、Core i5のCPUを積んでいるならば、ほとんどのゲームを製品発売から5年程度は快適に遊ぶことができるので、初めて購入する人も含め、幅広いユーザにとって最適解になるのではと思う。

ただそれだけだと記事にならないので比較検討のため少し細かく書いていく。

最初にグラフィックボードを選択する

会社などで使用するパソコンには基本的にグラフィックボードは入っていないが、ゲーミングPCには必ず内臓されている。グラフィックボードは描画を専門にしたプロセッサーで、GPU(Graphic Processing Unit)とも呼ばれる。

グラフィックボードがなくともパソコンはCPU、あるいはパソコンの基盤であるマザーボード内にグラフィックを描画する機能を持つため、軽いゲームやビデオ鑑賞等には問題はない。しかしリアルタイムで物理演算を行う高度な3Dゲームでは専用のパーツが必要なのである。

さて、グラフィックボードが必要なことは分かったと思うが、値段により描画能力に差が大きいため、何を購入すべきか非常に迷うところである。

グラフィックボードの種類

グラフィックボードについて簡単に説明しておく。パソコン用にグラフィックボードを製造している会社はNVIDIA(エヌビディア)とAMDの2社があり、NVIDIAがGeforce、AMDがRadeon(ラデオンと呼ぶ人が多い)という製品名で販売している。NVIDIAの方がシェアは高い。

より細かく言うと、これら2社はグラフィックボードのコアの部分を作成しており、冷却ファン等と組み合わせて製品としては玄人志向やMSIといった会社が最終製品として製造している。

NVIDIAの製品名はGTX 1050Ti、GTX 1060、GTX 1080、GTX 2080などがあるが、これらの意味するところも解説しておく。

まず上2桁の数字がアーキテクチャーの世代を表す。下2桁は各世代の製品ごとに割り当てられる数値で、大きいほど高性能である。

アーキテクチャはおよそ2年おきに刷新されており、9、10、20と世代ごとに数値が大きくなっている。

では1060と970ではどちらが高性能か?それは番号だけでは分からないのでBench Markを参考にして欲しい。わずかにGTX 1060の方が上だということが分かる。

次にGTXは特に何かの頭文字というわけではなく、抽象的な言い方をするとその製品が持つ優れた力を象徴した文字である。以前の製品ではGT、GTS、GS、SEという頭文字が使われていた。スマートフォンのXperia Z、Xperia Xなど、おしりに良くわからない文字がついているのと同じである。

最後にTiはTituniumから取った文字で、ついている場合は若干性能が高い。1050 < 1050Ti < 1060といった感じである。

コストパフォーマンスに優れるミドルレンジがおすすめ

グラフィックボードはおおよそ2万円以下がローエンド、3~4万程度がミドルエンド、5万円程度かそれ以上のものがハイエンドとして位置づけられる。

製品でいうとGeforce GTX 1050がローエンド、GTX 1060がミドルエンド、GTX 1080/2080がハイエンド製品である。また新アーキテクチャの製品が登場すると、次第にハイエンド製品の価格が落ちていき、ミドルエンド扱いとなる。

このうちゲーミングパソコンとしておすすめできるものはミドルエンドの製品である。理由としてはほぼ全てのゲームを快適に遊ぶことができ、3D性能とコストを比較したときのパフォーマンスが最も高いからである。少なくとも購入時点で遊べないゲームは探し出す方が難しいだろう。

Video Cards BenchmarkのPrice Performanceのページでは、3Dベンチマークの結果を実際の販売価格で割ることコストパフォーマンスを算出しているが、ミドルエンドの製品が上位に多くランキングしていることが分かる。

購入して4年程度は十分最新のゲームを遊ぶことができるのでミドルレンジのグラフィックボードは製品自体のコストパフォーマンスの点でも、長く楽しめるという点でもおすすめである。

ちなみに3Dベンチマークとは、PCの描画能力を測るテストであり、結果がスコア化されて表示される。描画能力といっても異なる解像度や描画処理アルゴリズムなどにより優劣が変わるため、1000以上の描画テストをしてその総合値を表している。

VRをやるならGTX 970以上

VRのゲームを行うために十分なスペックを持ったグラフィックボードであることをNVIDIAが自身で保証したものにはVR Readyのロゴを張り売り出している。

NVIDIA製品のVR Ready製品のうち、最低のスペックに位置するものがGTX 970及びGTX 1060であるため、それ以上のグラフィックボードを積めば問題が無いということである。ちなみに私はGTX 1060を使ってVRをしているが、動作に全く不満はない。

CPUはグラフィックボードに合わせて決める

CPUはグラフィックボードの次に重要度が高いパーツである。ゲームにおいて、描画処理はGPUに任せるが、その他の多くはCPUが担当する。たとえば、シューティングゲームなどで弾が敵に当たったかを判定する当たり判定は、描画処理が走る度にCPUが計算しなければならない。

描画が行われる頻度でゲームの滑らかさが変わってくるが、描画回数が多いとその分CPUも多くの計算をしなければならない。そしてその計算処理が追いつけない場合はCPUがボトルネックとなり描画頻度が下がる場合もある。

すなわち高性能なグラフィックボードを搭載し、その能力を十分に発揮するためには高性能なCPUが必要になるということである。

実践的な選び方としてはローエンドならばCore i3以上、ミドルエンドならばCore i5以上、ハイエンドならばCore i7のCPUを搭載しておくと間違いはないはずである。

メモリは8GBあれば問題ない。

GPUの描画処理にはメモリを多く消費するが、GPU自身が抱えているメモリが消費されるため、メモリースロットに挿すメモリ量は大して大きくはならない

もちろん描画処理以外の処理では通常のメモリを使用するため、ある程度は必要だが、基本的に8GBあれば問題はない。

将来的に多くのメモリーを使用する可能性を考え、保険という意味で16GBにすることも考えられるが、それならば必要になった段階で8GBのメモリを1万円程度で買い増してやれば良い。メモリーの増設はケースを開けてメモリスロットに挿すだけなので簡単である。

必要のないものに対して最初からお金を払うほど馬鹿らしいことはないので、コストを考えるのならば8GBで良いだろう。

SSDはロード時間短縮のために必要

是非積載してほしいものがSSDである。オープンワールドでのマップの読み込みには1分程度かかることもあり非常に苛立ちを感じることがある。それを約半分の時間でこなすのがSSDである。

後からオンラインゲームのワールドに入ったはずの友人が、何故か先にプレイを始めているという屈辱感を味わないためにもSSDは積んでおいたほうが良い。

またゲーム1本で50GB程度あるものも多いので240GBのSSD容量だと物足りなさを感じる。最低でも480GBはあった方が良いだろう。

またSSDの中でも性能差はあるが、ゲームのロード時間を早める用途としてはほとんど差が出ないため、とりあえず安いものを選んでおけばよい。

〇〇推奨モデルと言われても。。。

ファイナルファンタジーXIV推奨パソコン、モンスターハンター推奨パソコンなど、特定のゲームを快適に遊ぶためのパソコンが推奨パソコンとして売られているが、ゲームパソコンって別に一つのゲームだけを遊ぶわけではない。上記で述べたようなスペックを満たしていれば間違いなく推奨スペックにはなっているため、特に気にする必要はない。

ただし、ゲームのアイテム特典などが購入時に付くこともあるので気になる場合はチェックするとお得なこともある。

ノートかデスクトップか?

基本はデスクトップパソコンがおすすめ

グラフィックボードを搭載したノートパソコンは非常に重いので持ち運ぶのはかなり大変である。また小さい画面ではゲームをしにくいため、デスクトップの方がお勧めである。コストパフォーマンスもノートパソコンは悪く、同じスペックであるならばデスクトップパソコンの方が割安である。

VRをメインにする場合はノートが良い場合もあるかも

ノートパソコンにするのは持ち運ぶ必要がある場合はもちろんであるが、VRをメインにしたい場合はノートが良い場合もある。

まずVRではノートパソコンでネックとなる画面の大きさは関係ない。

次に、VRで自分も動くゲームを行うには、幅2m、奥行き1.5mほどのスペースが必要になる。このスペースを確保することが難しい場合には、場所の自由度が効くノートパソコンに軍配が上がる。

144FPSモニタは非常に滑らか

ゲーミングPCの話題として以降では144FPSモニタと4Kについて解説する。正直言って全く必須の機能ではなく、ゲームを日常的にやっている人にほんの一段上の体験を提供できる程度だが、興味のある人向けに触れておく。

まずは144FPSであるが、その前にFPSって何か?ということから説明する。

フレームレート(FPS)が滑らかさを測る指標

FPSはFrame Per Secondの略で、Frame、すなわちディスプレイに出力する全体絵1枚を、1秒間に何枚描画できたかという指標である。ゲームが滑らかに動くかを判断する指標として使われる。

たとえば、アニメの場合、1秒間に24枚の絵をパラパラ漫画のように見せているため24FPSである。

ゲームでリアルさを追求した滑らかな動きを実現するには24枚というわけにはいかないが、30FPSで普通に遊べるレベルで、60FPSが出ていると非常に滑らかである。

ユーザがPCゲームソフトを購入する前に、PCがゲームソフトが要求するハードウェア要求を満たしているかを確かめられるように提供しているソフトをベンチマークソフトと呼ぶが、60FPSが平均的に出ていれば非常に快適というような結果が出る。

144FPSは非常に快適を超えた快適

144FPSというフレームレートでどの程度体感が変わるのか?一見分からないものの比べると確実に滑らかであると判断できるレベルで、特にスクロールで映像が流れる場面ではその効果が実感できる。

目まぐるしく画面が動くFPS(First Person Shooting)ゲームを行う上でFPS(Frame Per Second)は効果が大きい。

液晶テレビの世界では既に2010年より前の時点で2倍速(120FPS)、4倍速(240FPS)といったフレームレートを上げる技術を搭載した製品が販売されており、私は当時家電量販店でそれらを販売していたのだが、倍速機能が搭載されるとスポーツ観戦をしている観客が横スクロールされる場面で、ぼやけていた人の表情が見えるようになり、またテロップの文字もハッキリと読めるようになった。

各社がFPSの向上に投資をしているのも納得である。

モニタの対応が必要

60FPS以上のフレームレートはハードウェア性能としては可能であってもモニターがそれ以上のFPSに対応していないと出力することはできない。

144Hzと書かれた144FPSまで出力できるモニターを購入しよう。一度144Hzでゲームをしてしまうともとに戻った時に落差が大きく感じられるので、導入には注意が必要と言えば必要である。

PCスペックとしてはミドルからハイエンドのグラフィックボードを搭載していれば144FPSまでは到達できなくとも60FPSを超える滑らかな映像を堪能できるはずである。

4Kは必要ない

描画の精細さで4Kを選択できるゲームが増えている。テレビで4Kは先行しているが、ゲームをやる上で4Kは全く必要がない。

まず、人の目で4Kと2Kに当たるFull HDを判断することは非常に難しい。何となく綺麗かもというレベルである。50インチ以上などそれなりに大画面ならばある程度判断はできるかもしれないが、27インチ程度のモニタでは正直区別はできないであろう。

また、4Kをグラフィックボードで描画するには負荷が非常に高く、ハイエンドのグラフィックボードであっても最高品質で行うことは不可能な場合が多い。

FPSを下げてまで画質を上げる必要性はあまり感じられないので、ひとまずマニアックな領域を目指す場合を除いて4Kは考える必要はないだろう。

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